前回、EdTechは大きな編極点を迎えていて、テクノロジーが格差を広げるかが今度の課題と書いた。そんな中で、僕が面白いなあ、と思う人たちについて、一言ずつ。
小宮山利恵子さん(リクルート次世代教育研究院 院長)
言葉は悪いかもしれないが、いろんな意味で「何かやらかしそう」だと思う人。教育だけでなく、テクノロジーや政治についても土地勘*1がある。コクリ!などで一緒にワークしたりしていると、肚のすわり方や行動力に圧倒される。「教育環境格差」を取り組みの中心に*2おいていて、グローバルな活動量も半端ないので、破壊的なイノベーションを起こす可能性を秘めていると思う。
(写真*3右が、”こみー”こと小宮山さん。)
後藤正樹さん(コードタクト代表取締役)
オーケストラの指揮者で、EdTech企業の経営者*4。現場経験、発想力に加えて、作る力をもった人。後藤さんの作ったソフトウェア「スクールタクト」は、総務省が全国数十校数万人規模で行った教育情報化のパイロットで、利用者数第1位だった。IPAが選んだ未踏スーパークリエーター(2010年度)でもある。総務省の教育情報化の取り組みでは、いろいろストレートな意見をくれて、とても感謝している。
赤井友美さん(子供教育創造機構 理事)
仕事はすごいんだけれど、生き方がとても魅力的だと思う。二人のお子さんがいて、会うたびにあふれるほどの案件を抱えていて、それでいて、丁寧に日々を暮らしている。テクノロジーにも詳しいけど、それが子供の可能性をどう拓くか*5、先生の働き方をどう広げるか、最近では、地域をどう変容させるか、というところまで視野と活動が広がっている。高専にある地域のデータを活用して、小中学校で地域課題を考えるプログラムの展開が楽しみだ。
利根川裕太さん(みんなのコード 代表理事)
古河市のプログラミングのイベントで、利根川さんが学校の先生向けにやっていたワークショップを覗いたとき、この人がもしコンサルタントだったらすごいだろうなあ。今は、こんな人がソーシャルビジネスにいる*6のか、と驚いた。分析力、プレゼン力、構想力などとても「切れる」のだけれど、童顔(失礼)のせいか嫌味がない。総務省の事業で、全国を飛び回っているが、みんなのコードのワークショップを受けた先生は、未来の学びの起点になるだろう。
他にも紹介したい人がいるけれど、今回はこの辺で。どの人も、パブリックセクターとプライベートセクターを越境して活躍していて、特に教育という領域では、そういったトライセクターリーダーが求められているように思う。
*1:小宮山さんの人となりについては、このインタビューがいいかな。Newspicksコミュニティから生まれたもので、企画した小室さんの思いが込もっている。【読者企画】小宮山利恵子さんインタビュー① サバサバ、ネアカ、それが私。
*2:新しい教育は、つい自由度の高い私学が中心になりがちだけれど、公立についてもいろんな現場に足を運んでいる。最近バズった小宮山さんの記事。公立が躍進、京都の教育改革で何が起きたか | ITは日本の教育を変えるか? | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
*3:素晴らしいチームだったが、小宮山さんと佐々木裕子さんの迫力負けないように頑張りすぎたせいか、終わってから熱がでてしまった>_<。iPadの写真は、の大事な用で最後に抜けた岩本悠くん(地域・教育魅力化プラットフォーム理事)。
*4:なんで二足のわらじなの、と思ったらこの記事を参照。「教師が授業を奏でるように」指揮者が作った協働学習アプリ/スクールタクト | ICT教育ニュース
*5:これから求められる「生きる力」について、赤井さんからいろいろ教わることが多い。子どもたちの「自分を信じる力」を育む/一般社団法人・子供教育創造機構 理事 赤井友美さん|女性の求人・転職なら【とらばーゆ】
*6:利根川さんがプログラミング教育に関わるきっかけについて。大企業→ベンチャー立ち上げ→独立。安定を捨ててまでプログラミング教育普及に熱意を燃やす理由とは | 記事 | HIP