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日々是好日

テクノロジーが社会を変える

ISLの総会で世界の行く末について考える

今日、年に一度のISLの総会があった。NPOがここまでできるのか、というところまでISLも成長してきた。事務局の方々の舞台裏での大車輪の活動には本当に頭が下る。不肖私も、200余名の参加者の声を拾うフロア司会を(いつもながら直前の依頼で)引き受けさせていただいた。

とても興味深いディスカッションがあったので、概要を記しておきたい。

まず、ISL理事・最高顧問の小林陽太郎氏の挨拶で開会。混迷する世界情勢の中で、知性と教養に裏打ちされたリーダーシップが必要と説く。

前半は、「グローバル世界の行方を展望する」というタイムリーだが、難しいテーマをとりあげる。

基調講演は、元米国国防総省副長官のハムレ氏。米国を弱体化させた要因を明快に斬る。
�@イラクアフガニスタンへの勝ち目のない軍事介入
�A米軍の拷問に見られるモラルの低下
�B毎日3000億円の借金で消費を支える、金に対する自制の欠如
さらに、両大統領候補のこれら3点についての方針に触れ、最後にハムレ氏が考える処方箋を示す。

ついで、朝日新聞社主筆船橋氏による講演。米国の弱体化以降、明確なリーダーシップが存在しない状況を「無極化」とし、何らかの「システム」が必要と説く。今回の経済危機については、「グローバルが一体であることを、本当に体感した」と感想を述べられた。

フロアからの声で興味深かったのは、グローバルがつながっていることで、「自分だけがいい思いをする」ことがもはや不可能になった、という世界認識。すなわち、リスクを誰かに押し付ける、経済力にまかせて資源を乱用するとたちまち「ツケ」が回ってくるということだ。

パネルディスカッションのファシリテーター武田薬品の長谷川社長。ISLの理事をやっておられるが、ご多忙を極める中での理事会やISLのプログラムのコミットメントには賛嘆を禁じえない。基調講演の最中、英語で熱心にメモをとられていたのも印象に残った。同じくISL理事の中外製薬永山社長もパネラーとして、ハムレ氏や船橋氏に混じって、現場感のある発言をされていた。

これからのリーダーシップを考えるとき、絶対に外せないのはアジアの存在だ。しかし、欧米と異なり、アジアは現在「バラバラ」の状況で、世界に対して明確なリーダーシップを示せないでいる。EU型も難しいし、よく「アジアの中の日本」と言っても、アジアのいろんな会議に日本人はほとんどいない、という声もあった。

日本は本当の意味でオープンにならければいけない、というのが共通した認識だと思う。そうすれば環境問題等いろいろリーダーシップをとれるはずだと。

第二部のテーマは、「今、あらためてアフリカを考える」。残念ながら予定が合わず私は退出したが、ここでも興味深い方々が参加されていた。

ISLではいよいよ「社会イノベーションセンター」が動きだす。きっと一石を投じることができるはずだ。そして、その波紋が遠くの地平まで広がっていくことを願う。