(いまさら)酒をたしなむということを考える@飯倉のいつものバー
酒をたしなむ、というのはどういうことかなあ、
と自宅に帰る前に立ち寄ったいつものバーでふと考えていました。
家系から考えても、実績(?)から考えても
わたしはそれほど飲める口ではありません。
でも、ついふらふらと、今日もバーのカウンターに座っております。
東京と京都の2重生活に入ってからは極力減らしているのですが。
ケータイをふと見ると、女房から晩飯はいるのか、というメール。
じゃあ2杯だけ、と出してもらったのは1990年ごろのラガヴーリン。
「太田さんの好みから外れると思いますが、ちょっと試してみてください」
確かにわたしのウィスキー暦は、28、9のころ、留学先の
ロンドンにいたときにグレン・モーレンジを飲んでいたのが
始まりのように思います。そのあと、マッカランにはまりました。
口に含んでみると、独特のピートのきっつい香りと味がします。
ああ、やっぱりダメかなあと思っていると、
ウィスキーのうまみが口に深く残るのです。
後をひく感じがします。
「ウィスキー飲みは、だんだんとアイラにいくんですよね。
それから、また甘めのものとか、ブランデーに戻っていきます。」
(注:アイラ島はスコットランドの西端にある島。ウィスキーの産地です)
くいっと飲んで、つぎにもらったのが同じく90年ごろのボウモア(写真左から2番目)。
ああ、なんかいいなあ・・・
そしてちょっとこれを試してください、と出されたのが
今売っているボウモアの12年。ああ、全然違うよなあ。
「店を出て家路について、そのとき口の中に香りが残っているのが、
ウィスキーのいいところですよね。あ、いろいろ講釈たれてすみません」
最後に出してもらったのが、60年代のスプリング・バンク。
最近高くなってしまってなかなか飲めませんが、これはおいしい・・・
口の中にいい香りが残っています。それが実に楽しい。
酒をたしなむというのは、こういうことかもしれません。
結局、4,5杯飲んで、しかしいい気分で家路につきました。