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日々是好日

テクノロジーが社会を変える

日本にフリーエージェント社会は来るか?


フリーエージェント社会の到来」は、「ハイ・コンセプト」の著者であるダニエル・ピンク氏が数年前に書いた本です。著者は元副大統領の首席スピーチライターで、プロローグがいきなり「もっと違う種類の仕事を探したほうがいいと気づいたのは、もう少しのところでアメリカ合衆国副大統領にゲロをひっかけそうになったのがきっかけだったと思う。」という始まりです。なかなか強烈ですね。改めて読み返すと、マクロ(統計数字など)とミクロ(個人の取材)がうまくミックスされていて、それが説得力につながっています。ただ、「ハイ・コンセプト」もそうですが、全体的に尻つぼみで表層的なような気がします。

ハイ・コンセプトについて
http://blog.goo.ne.jp/kozatori7/e/3fd5aa384e7125a0e4c194b50b84587c

本書のテーマは「アメリカにおけるフリーエージェント社会の国勢調査をする」ということで、その人数を3,300万人、米国の労働人口の4人に1人であるとし、フリーエージェントの労働倫理や生き方をレポートしています。そして最後にちょっとした社会論を展開しています。

巻末に東京大学労働経済学を教えている玄田氏の解説があります。「日本は、フリーエージェント社会となり得るか?」という、読者であれば当然感じるテーマについてです。玄田氏は、日本の社会システムを見るといろいろ難しい面がある、としながらも、最後には「その可能性について、私は楽観的である。」という主観的で、まあ妥当な言葉で締めくくっています。

さて、果たして日本はピンク氏のいうような、「自由」「自分らしさ」「責任」といったキーワードで語られるフリーエージェントの社会になるのでしょうか?

以前も書きましたが、「格差社会」を喧伝するメディアは悲観的な論調が多いようです(その方が売れるのでしょうかね)。それはピンク氏のいうように古い常識に捉われているからなのでしょうか。

小泉政権が遺した「格差社会」!?
http://blog.goo.ne.jp/kozatori7/e/1c8d896d3e2a61572a19dc3e3a53e3bc

キーワードになるのは「個人のあり方」と「信頼」だと思います。なぜならフリーエージェント社会は、自立した個人があまりよく知らない相手と組んで仕事や取引を行うことが前提となるからです。これは組織に「正社員」として属し、名刺をもって仕事をするのとは大きく異なります。

そこで考えなくてはならないのは、日本は「個人が自立し、信頼をベースに仕事が営まれる社会かどうか」ということでしょう。この点について次回考えてみたいと思います。