和田哲の野村社長の依頼で、大阪船場の商工中金ユース会で講演をさせていただきました。和田哲は、「最後の船場商人」と言われた和田哲夫氏が創業した100年を超える老舗です。野村さんは四代目にあたります。
『扇子商法』−船場商人の経営理念と生き方
http://blog.goo.ne.jp/kozatori7/e/c88620055dadc524df119b35ea661393
この本を書かれた三代目の和田亮介氏は、柔らかい筆致で数多くのエッセイを上梓されており、つい最近も『船場吹き寄せ』という、これまたしみじみとし、かつ考えさせられるエッセイ集を出しておられます。いちどじっくりとお話を伺ってみたい方です。
船場の町を歩くのは15年ぶりくらいではないでしょうか。最初に和田哲にお邪魔し、野村社長と商工中金のビルまで歩く道すがら町の様子を見ていると、あの有名な船場センタービルはそのままですが、洒落た店やビルが増えたように思います。
船場センタービルは、本町駅と堺筋本町駅の間の高架下に約1キロ(!)に亘って続くショッピング街です。ここでは中高生のころ、「ちょっといいもの」例えばジャケットなどを母親に買ってもらった記憶があります。船場はもともと卸の町なのですが、いつくかの店では一般の消費者でも卸値に近い価格で買うことができるのです。
実は婚約指輪も船場センタービルで買ったんですよ。そんな話を野村社長にすると笑っておられました。近くの心斎橋のデパートで流行りのデザインを見て、同じようなものを船場で買い求めたのです。デザインが同じで、もちろん鑑定書が付いていますから、品質も同じで値段はぐっと安い。おまけに、確か婚約指輪も「まけてもらった」記憶があります。
今ではもうすっかり「変な」関西弁しか話せなくなりましたが、自分の関西人としてのルーツと少し思い出していました。
商工中金ビルの会場では、40名ほどの若き経営者が集まっていました。会長をしておられる野村社長によると、商工中金ユース会は商工中金が地場企業の後継者育成のために作った組織で、定年を52歳と定めて、現在全国に3000名ほどの会員がいるそうです。
後半は勉強のために、BCGのマネジャーに講演を替わりました。出だしはヒヤッとしましたが、途中から「目を覚ますような」レベルまで何とか上がり、質疑応答では、なかなか面白い質問をいただきました。
そのあと懇親会があり、個別にいろいろお話をさせていただいたのですが、現場感があって面白いですね。「日本ユニバースの準ミスを売りにしているのに、ネットのサイトに客が集まらない」や「グローバルの材木市場の動向」といった話題がぽんぽん飛び出しました。
40代の経営者の強みは、「広い視野で考えつつ、思ったら動けるフットワークがある」ことだなあ、とつくづく思いました。
それにしても、主催者のお1人が事前にこのブログをチェックされていて、「先生は、世界各地でラーメンを食べ歩いておられるんですねぇ」と切り出されたときには赤面ものでした。
もっと格調高いブログにしないと・・・