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日々是好日

テクノロジーが社会を変える

戦略とは何か2006(番外編)

HBSのクリステンセン教授の「イノベーションのジレンマ」の位置づけを、儲けのしくみ(価値提供と価値連鎖)から考えてみましょう。案外すっきりはまると思います。

まず、価値を機能的価値と心理的価値に分けます。クリステンセン教授が著作の中で告白しているように、ジレンマ理論では主に機能や性能に着目し、ブランドなどの心理的価値については「分かるものか」と開き直っています。

企業が提供する性能が、どこかの地点で消費者が欲するレベルを超えます(オーバーシュート)。その一方、あまり魅力的ではないローエンドで破壊的なイノベーションが生まれ、業界リーダーが儲かるハイエンドに集中しているうちに、業界地図が塗り変わる。これが「価値提供」についての部分です。

価値連鎖についてはどうでしょうか。クリステンセン教授は「魅力ある利益保存の法則」を提唱しています。これは、性能がオーバーシュートするのと合わせてバリューチェーンのモジュール化が進み、消費者が満たされないチェーンに専門特化した事業者に価値がシフトするという理論です。

パソコンの例が分かりやすいですね。オーバーシュートする前は垂直統合IBM。モジュール化が進むとマイクロソフトインテル。それがウィンドウズの新しいバージョンがあまり話題にならなくなると、受発注でカスタマイズを最適化するデルに価値が移る、という具合です。

つまりクリステンセン教授の理論は、価値提供と価値連鎖について動的に変化を捉える枠組みを提供するものといえます。すごい理論です。