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日々是好日

テクノロジーが社会を変える

口笛を吹きながら疾走する


このブログでは何度か取り上げたNHKトップランナーに、デザイナーの皆川明さんという人が登場しました。少し大げさかもしれませんが、最近もっとも衝撃を受けた人物です。私が最近持っている問題意識に、これほど確固たる姿勢で答えている人がいるとは・・・

番組中に生い立ちを振り返るコーナーがあるのですが、「長く走ることが好きだから」と中高時代に陸上の長距離に打ち込んでいた皆川さんは、高校3年のときの怪我を契機に、高校卒業後パリに渡ります。そこで偶然パリコレでバイトし服飾に出会います。そして帰国後服飾の夜間学校に通うのです。本人も認める落ちこぼれぶりだったのですが、その頃のことをこう語っています(以下、私のうろ覚え)。

「洋服の仕事は一生やっても飽きないなと思いました。学校での授業は手品のようでまったくついていけませんでしたが、40年やり続けるんだと考えると、2,3年の遅れはそれほど気になりませんでしたし、10年もするとできるようになるのではと思っていました。」

淡々した語りはあくまでも控えめですが、ものづくりについての信念は強いものがあります。例えば、ブランドは100年続くものにしたいと自分の名前をあえてつけずminaフィンランド語で自分)にし、皆川さんに続く人達が「自分」であれば困らないだろうと言っています。また洋服についても形の流行を追わず、生地に自分の感性を込めてつくり、その生地を長く使うとともに、できあがった洋服も長く着てもらえるように工夫するという具合です。

流行の言葉でいえば、スローライフロハスでしょうか。ただ、これほど地に足をつけて体現している様子は、このようなキーワードで簡単に表せない深さがあります。日本のものづくりについてのヒントがたくさんつまっていると感じました。

番組途中で、「口笛を吹きながら疾走する」というのが自分のテーマだと語っていました。わたしなんかは疾走することしかなかったような気がします。そして本上まなみがめずらしくまともな質問をしていました。

「時代の流れがどんどん速くなって、私も含めて、みんな飲み込まれていくなかで、どうやって(自分を)守っていくんでしょう。」

私もぜひ聞いてみたい問いでした。でも、こたえはじぶんで探すしかないんでしょうね。きっと。