<ASK MEについて by 太田直樹>
僕が30を過ぎたころ、当時のBCG代表の内田さんから「会いたい人には必ず会える」と聞き、以来、いろんな人に会ってきました。気がつけば「会いに来てくれるひと」がポツポツと増え始めました。最近、アドバイスをすることが苦手になってしまい、結構「雑談」という感じです。ただそのことをシェアすることで、何か化学反応が起きないか。そう思いついて実験的にこのコラムを始めました。
<今回のひと>
就職活動の中から、社会について「何かおかしい」という感覚が芽生え、地方創生への関心が高まり、連絡をくれた大学三年生のNさんです。本質的な問いをいくつもぶつけられて、汗をかきました。
私の仮説にフィードバックをいただけただけでなく、質問にも答えていただき大変有意義な時間になりました。
面談を通して得た学びや、心境の変化の結論としては、世界のあらゆる面を探していける人になりたいし、世界を暴き、進めていく好奇心を忘れない人間でありたいということです。
私は99年生まれのデジタルネイティブの世代なのですが、人見知りが激しく、人と話すのが苦手で学校に行くのが嫌だったとき、オンラインチャットがきっかけで他者とコミュニケーションをとることができるようになったことで、デジタルというものに絶大な信頼を寄せるようになりました。
しかしDXがもたらす悪影響や、資本主義の中であまり良い形で作用していないことをお話ししていただいたことで知り、DX=良いという無意識な価値観があり、多面的にデジタルを捉えることはできていなかったと感じました。
ある事象の良し悪し両側面を捉えたうえで解釈をし、アウトプットしていく必要性を改めて認識しました。
また様々な角度や観点でお話をしていただく中で、私はホリスティックに、マクロに全体を捉えることが視野の広さだと考えていましたが、何かに焦点をあてることで視野の広さが生まれるということに気づけたのも、一つの学びでありました。
お話しする中で特に印象的であったのは、太田さんの「なんで?」という一言の多さです。笑
自分自身、その理由を考えたことがなかったことにたいしてなんで?をかんがえたとき、誰かがそう言っていたから、それが当たり前だと思っていたからといった根拠が多く、深く思考できていないことに気づき、好奇心とは様々な事象に手を伸ばすだけでなく、起こっていることひとつひとつに対してその理由を求めていくことでもあるのだと思いました。
私はまだ世界の一部しか知らないし、その理由をわからないことばかりの世界を生きているということに気づき、この世界はまだまだ発掘しがいも、探索しがいもある!!もっともっと面白いトピックや、自分が一番興味を持てることに出会えるかもしれない!と、考えることができるようになりました。
世界が面白いと教えてくれる大人の方に出会うことは、なかなか難しいです。
社会の先生も数学の先生も理科の先生も、教科書に書いてある以上はなぜそれがそうなるのか教えてくれません。
世界を面白いと想像している自分とは反対に、面白そうに世界を捉えている大人はなかなかいないのです(少なくとも、私の周りには)。
そういう意味で太田さんとお話しさせていただいたこと、フィードバックをいただけたことは世界の可能性や面白さを改めて感じることのできる時間であり、私ももっともっと、世界を暴き、世界を前に進めていく「好奇心」を持つ人間でありたいと思えた時間でもありました。
お勧めしていただいた本(モビリティーズ)も、必ず探して読みます!
デジタルについて、デジタルネイティブ世代とどっぷり話した刺激的な時間でした。素敵な知的冒険の旅を!(太田直樹)