- 平成の最初に、書籍の売上トップ30に「自己啓発本」はゼロだったが、いまは3冊に1冊となっている。にもかかわらず、私たちの自己を知る力は低下している。そして、ソーシャルメディアで自分語りをするのが大好きだ*1。
- AIが、私たちが自分自身を知るよりもよく私たちのことを知るようになったとき(それはもうすぐだ)、私たちの意識、例えば、祈ることにはどんな価値があるのだろう*2。
- 国境を越えた流通は、10年で世界のGDPを10%押し上げた。流通しているのは、商品や人やお金、それにデータだ。データは、GDP押し上げ効果の実に35%を占める*3。しかし、本来国境のないサイバーワールドにも線が引かれている。
- Googleマップには、毎年1000億円以上が投じられおり、APIを通じて提供されるサービスはとても便利だ。それに対して「地図のウィキペディア」と言われるOpenStreetMap(ポケモンGOにも使われている)をつくるマッパーと呼ばれる人たちが世界中にいる。
- データには「辞書(日本ではIMI共通語彙基盤)」がある。どうしてかと言うと、データをつくった人によって、言葉の使い方がまちまちだと困るから。しかし日本の現状*4は、電話番号ですらいろいろな記述があって、コンピュータが認識できなかったり、システム間でやりとりできない。
- 規制改革推進会議から仕掛けて、ルールを変えていくことは本当に難しい*5(けれど、引き続き機会は探っていきたい)。
- GR(ガバメント・リレーション)は、中央だと規制改革などのルール・メイキングだけれど、地方ではディール・メイキングであること。社会解決型イノベーションのテストベッドなどで、地方でGRは価値を創り出す*6。
- 経産省の2018年度のアジャイルプロジェクトについて、失敗から学ぶという総括がなされた。これを機に、発注者側の人材や組織体制や契約のあり方などが変わっていくだろう。
- 東京都の宮坂副知事が、ニューヨーク市やパリ市のIT人材が1000人規模なのに対して、東京都には100人もいないことを明らかにし、1000人に向けた組織体制づくりに着手した。
- という背景もあって、Govtechが盛り上がっている。今年のCode for Japanサミットは、エンジニア、霞ヶ関、自治体が入り混じって、朝まで議論だった。
- 30の主要都市が2020年を前に温暖化ガス排出の上昇トレンドを止めた(Bending the curve)*7。約6千万人がそれらの都市に暮らしている。残念ながら日本の都市は入っていない。
- 貯金なし世帯の比率は、米国が4割で、日本が3割。日本は、平成の間に、貯金なし世帯が3%から30%になった。
- 平成の30年の間に300万人に迫るところまで外国人が増えた。しかし、「移民国家」としての議論が十分になされていない*8。
- ビジネスパーソンが、自らの所属する職場や業務の枠を超えて、学び・成長の機会を得る活動を「越境活動」と呼ぶ。その新しい波がきている *9。
- 若者が、地域と関係を結ぶ生き方を、意思をもって選ぶ潮流「関係人口」が、いよいよ明確になってきた*10。
- 熊の爪には顔がある。ときどき持ち歩いている。
- 佐賀はとんこつラーメンに生卵を落とす。結構気に入っている。
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白馬に、全国からプラモ好きやチャロナー*11が集まる宿がある。
- 静岡に、全国からサウナーが集まる、ミネラルウォーターより美味しいといわれる水風呂があるサウナがある。
- かつて経済学者の間でこんなジョークがあったという:「世界には4種類の国しかない。先進国と途上国。そして、日本とアルゼンチンだ。」豊富な資源がありながら、先進国から途上国に凋落したアルゼンチン。対照的に資源に恵まれないのに途上国から先進国になった日本。日本の原動力は人材と教育だったと思う。
- 過疎地の公立高校を「魅力化」することによる地域へのインパクトが可視化された。地域の総人口が10年で5%増加(廃校にした場合は2%減少)し、年平均で3,000~4,000万円の経済効果がある*12。
- 「正しく合理的なサイエンス」ではなく「共感を呼ぶ柔らかなサイエンス」がある。地方創生という世界で、この本*13が生まれたのはとても素晴らしい。
- 1日3時間だけ働いて、おだやかに暮らせる!!(らしい)*14。
- 「自然が強い場所」には、とても深い知恵を持つ人がいる。
- この世にあるすべての木は物語をもっている。
- 「主客未分化」の状態で知の創造が起こる*15。
- NPOの経営者が高齢化している。6割が60歳以上で、起業する20代、30代はNPOには向かわない。NPO法人の数は最近横ばい。
- 農業を「経済」として成り立たせるための、一連の改革が一区切りついた*16。農には経済以外の価値もあると思うけれど、この改革は、戦後すぐに作られたルールをアップデートするものであり、この上にデジタルの可能性が拓けると思う*17。
- 「耕す女」のストーリーから感じる、経済以外の農の豊かな可能性*18。
- 細胞農業の6段階が提唱された*19。牛肉の代替は着実に進んでいる。
- 個が弱いこと、司令塔や中心があいまいという日本の文化や日本語の課題が、チームラボのアートを通じてポジティブに読み替えられたこと。「自己という境界が曖昧になって、自分が世界の一部であるかのような感覚になる」(猪子さん)
- まち全体が暮らしのラボになる*20。
- 「わたし」のウェルビーイングから、「わたしたち」のウェルビーイングへ、というドミニク・チェンさんの提案が素敵だ*21。そこから、刺激的かつ豊かな未来の可能性が生まれた。
- 丸2年にわたる「風の谷を創る」活動を通じて、都市に対するオルタナティブを創るということがどれだけ難しいかを知り、そこに本質的な「問い」をぶつけることで未来が拓けてくることを学んだ。この活動は法人化して、2月には第0回サミットを実施する。
*1:自分を知る力に関心がある方におすすめ。
https://www.amazon.co.jp/review/ROEQQWKAUG89S/ref=cm_cr_srp_d_rdp_perm?ie=UTF8&ASIN=4862762700
*2:「あなたは僕の心の中で生きている」が、比喩ではないこと(太田直樹)|翻訳書ときどき洋書|note
*3:https://www.mckinsey.com/~/media/mckinsey/business%20functions/mckinsey%20digital/our%20insights/digital%20globalization%20the%20new%20era%20of%20global%20flows/mgi-digital-globalization-full-report.ashx
*4:北欧を中心とした欧州では、辞書の活用が進んでいる。
*5:放送村のある出来事 | CASという岩盤をめぐって - 太田直樹のブログ - 日々是好日
*6:GRサミットの幕開け|変な人集まれ! - 太田直樹のブログ - 日々是好日
*7:C40は気候変動に挑む都市ネットワークだ。欧米だけでなく、アジア、南米、アフリカから90の都市が参加している。カバーする人口は約7億人、世界GDPの25%を占める。日本からは、東京と横浜が参加している。C40は国境を超えて、温暖化に立ち向かう知恵を共有するプラットフォームを立ち上げるらしい。
*8:関心がある人には、望月優大さんの『ふたつの日本 「移民国家」の建前と現実』を勧めたい。
https://www.amazon.co.jp/review/R23D0J2AKOSCX0/ref=cm_cr_srp_d_rdp_perm?ie=UTF8
*9:越境4.0時代のリーダー育成 〜意義ある越境活動の選び方・使い方〜 | NPO法人クロスフィールズ
*10:「どうなる関係人口!?」の年表をつくってみた - 太田直樹のブログ - 日々是好日
*11:セガの対戦アクションゲーム「電脳戦機バーチャロン」の熱烈なファン
*12:地方創生でほんとうにやらなければいけないこと+大切な追記 - 太田直樹のブログ - 日々是好日
*13:『持続可能な地域のつくり方――未来を育む「人と経済の生態系」のデザイン』筧裕介
https://www.amazon.co.jp/review/R3SLGC8R3DGT7E/ref=cm_cr_srp_d_rdp_perm?ie=UTF8
*14:『1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法』山口揚平
https://www.amazon.co.jp/review/R3L6O0PP2OF8GH/ref=cm_cr_srp_d_rdp_perm?ie=UTF8
*15:この対談はたまらなく刺激的だ。
*16:元農水省事務次官奥原さんの本を読んだ感想。
https://www.amazon.co.jp/農政改革-行政官の仕事と責任-奥原正明-ebook/dp/B07VNSQ9RX?ref=pf_ov_at_pdctrvw_dp
*17:農水省にデジタル政策推進チームが設置された。
*18:ひとりひとりのお話がとっても素敵だ。
*19:代用肉の進化と、「細胞農業」がもたらす食の未来:伊藤穰一|WIRED.jp
*20:まだうまく言語化できないのだけど、可能性を感じる。おやまちプロジェクト