太田直樹のブログ - 日々是好日

テクノロジーが社会を変える

オルタナティブな人から大勢の人への橋渡しとは【ASK ME 3】

<ASK MEについて by 太田直樹>

僕が30を過ぎたころ、当時のBCG代表の内田さんから「会いたい人には必ず会える」と聞き、以来、いろんな人に会ってきました。

気がつけば「会いに来てくれるひと」がポツポツと増え始めました。最近、アドバイスをすることが苦手になってしまい、結構「雑談」という感じです。ただそのことをシェアすることで、何か化学反応が起きないか。そう思いついて実験的にこのコラムを始めました。

<今回のひと>

岐阜県郡上市で、市民主体の自然エネルギー事業を起こして、映画『おだやかな革命』の主人公の1人となった平野 彰秀さんが訪ねてきてくれました。コクリ!や学校魅力化、「風の谷」プロジェクトなどについてお話をしました。そのあと、タイムリーに自主上映会がありました。以下は映画を観たあとに平野さんとやりとりしたものです。

映画の中での私自身の描かれ方は、真実ではありますが、発電所をつくっていた時点の1つの側面を切り取ったところなのかなと思っています。「石徹白で地道に、地域のために水力発電に取り組みながら、スローな生活をしている人」というように描かれていますが、実際の最近の私は、石徹白や郡上の活動を深めていく活動をしていくとともに、「いまの暮らしや働き方をしている大勢の人」にとっての意味や接点をどのように見出していくかということにも、強く関心があります。

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上映会で話す平野さん

「いまの暮らしや働き方をしている大勢の人の変容はどのように起こるのか」という問い、そして、The two loops の考え方、投げかけていただき、ありがとうございます。「おだやかな革命」で描かれている物語は、いわば、「Name」、「Connect」の段階だと思いますが、広く展開していくオルタナティブになりうるかというと、現状では、少し怪しい気がしています。「あの人だから、あの地域だからできた」となってしまうと、「象徴的な物語」としては機能するかとは思いますが、それ以上には広がっていかないような気もしています。

学校魅力化は、「過疎地域⇒全国 という広がり方」、「教育⇒地域全体 という広がり方」の2つの意味で、とても可能性を感じます。後者の意味で、郡上という地域に限って考えると、「移住者による地域に根差した事業創出」が同時多発的に起きている段階が現在の段階で、それを、「郡上の普通の人たち」に波及していくためにも、教育分野に入っていくのは可能性があるかも とも思っています。

私はあくまでも郡上や石徹白で活動するプレイヤーなのですが、「郡上で複数分野を横断しながら地域の普通の人&都市で暮らす人を巻き込んで変容を起こしていく」「他地域の先進的な取り組みを郡上に取り込む」「郡上で起きていることを他地域(都市部・地方部両方)とつながりながら広げていく」という観点で、取り組んでいきたいなと思っています。

太田さんとお会いしてから、そんなことを、つらつらと考えています。 先日お会いした時は、一方的にお話をお伺いするばかりだったので、次回お会いさせていただくときは、私のお話もさせていただきながら、いろいろと対話させていただけないかと思っております。 よろしくお願いいたします。

平野さんの、郡上の地にしっかり立つ「土の人」と、アイデアを吸収し広める「風の人」の両面がとても魅力的でした。郡上に行きたい!(太田直樹)