官民データ法の勝手ガイドラインを作るキックオフを行った。年末の平日昼間に半日を費やすワークショップに、行政・企業・大学といったセクターを超え、しかも各地から参加者があった。
時を同じくして、都道府県の計画がパブコメに出されている。それを踏まえて、率直に思うことはこうだ。
・最大公約数的な課題と網羅的な施策が並んでいて、これでは計画を実行して、何がどう変わるのか分からない。
・野心的な課題解決を掲げて、行政だけでなく、広く地域を巻き込んで、地域が大きく変わるものにできないか。
やる前から問題は見えている
勝手ガイドラインでは、課題の抽出と施策との紐付けにポイントを置いている。何を当たり前のことを、と思うかもしれない。しかし、実際には、国が用意した258の施策から適当なものを選んで、それっぽい課題とセットにすると、計画は出来てしまう。当事者はそういう意識で作っていなくても、結果としてそうなる。それは都道府県が作った計画を見るとすぐに分かる。
そのような計画は「ストーリーがない」ので伝わらないし、実効性もない。「これをすると、こういう理由で、こういう課題が解決する」というストーリーがあると、成果が出やすくなるだけでなく、最近政府で検討が進んでいるEBPM(Evidence Based Policy Making)につながっていく。
参加者の方が挙げてくれた具体例をとりあげる。生活困窮者自立支援制度がある。国全体で500億円ほどの予算の仕事だ。地域で重要な課題の一つだけれど、官民データを使うと、施策との紐付けがさまざまなレベルでできる。
・就労支援事業などの効果測定と改善
・生活困窮の予兆を特定した予防施策の検証
生活困窮者を支援する事業は、行政だけでなく民間でも行われている。また、予兆を特定するとなると、個人情報の取り扱いについてのルール化も必要だ。計画づくりには「地域社会の参加」が重要であることがわかる。この点についても、実務的な知恵の共有が勝手ガイドラインでなされる。
勝手GLは、1月末までにグングン進化する
勝手ガイドラインはGitHub上で作っているので、議論と並行して作っている。会津若松の藤井靖史さんが、ひとつのグループでの議論を紹介してくれているけれど、様々な視点で、すぐに役に立つものからそもそも論まで飛び交っている。
そうそうたるメンバーが集まって議論してます
・データは誰のものだっけ?
・自治法によって認識は変わった
ガイドラインを作って毎年更新していく考え方
・計画を作ると庁内でやりやすくなるという考え方
・計画をコピペして使うのではなく地域にあったものになるには
・官民のテーブルづくりが大事
・庁内自らがデータを使って必要性を感じる必要あり
・情報を司る課がどれだけ重要か認識すべき
・データ活用が外部との連携のきっかけになる
・市役所だけで考えても仕方ない
→呼ぶのではなく足を運ぶ
・ところで、仕事を捨てないで増やすのみなのはなんでだろう...
そして、翌日に覗いて見ると、こんな感じ↓でGitHub上にIssuesが上がっている。これらを反映して、GLはどんどん進化する。
計画を作るのは結構大変だ。地域の課題を解決することはもっとそう。このイニシアティブがFar togetherのきっかけになることを願っている。