太田直樹のブログ - 日々是好日

テクノロジーが社会を変える

旭山動物園にて

北海道の旭川にある旭山動物園に行ってきました。上野動物園を抜いて、来客数日本一になった話題の動物園です。

いろんな角度から動物を見る
というのは実に新鮮な体験でした。例えば、サル山であれば、まず下から眺めます。建物の中には、螺旋状に上がっていく通路があり、通路の途中に飼育係のコメントと、サル山を覗く窓があり、様々な生態を見ることができます。そして上にあがると、サル山全体が俯瞰できる。そんな仕掛けです。ペンギンの飼育場では、螺旋状の通路を行くと、なんと水槽の下から、空を飛ぶように泳ぐペンギンが見えるのは感動的です。また、ホッキョクグマに至っては、飼育場の中に透明のドームが設置されており、そこに入り込んで間近にクマを見ることができます。

これは、ディズニーランドの成功に通じるものがありそうです。ディズニーランドは、実は遊園地の乗り物としては平凡なものばかりですよね。でも、園内でのわくわくするような「体験」がリピーターを呼ぶのでしょう。そのために、清掃の人でさえ「キャスト」と呼んで、楽しい体験を演出するように徹底しています。

同じように、旭山動物園も、特に珍獣や話題の動物がいるわけではありません。しかし、ディズニーランドと同じように、わくわくする「体験」があります。

マーケティングで考えると、乗り物や動物の分かりやすい、即物的な価値ではなく、「体験」という心理的な価値を提供するということが成功の鍵と言えそうです。