未来の学び*1はどうなるのだろう。いま、従来の境界線を越えた動きがある。
中央省庁では「黒衣(くろご)がこのようなかたちで表現するのは異例だと思いますが」と、文科省の合田さんが学習指導要領をハックする指南書*2を出したり、経産省では浅野さんが同省ではじめて真正面に教育を議論する「未来の教室」事業を立ち上げたり。古河市の平井さんや小金井市の松田さんのように、教育現場から飛び出したり。埼玉県では「順位ではなくタイムを計る」画期的な学力調査*3が始まったり。映像クリエイターのやすくんこと田村さんが地域に飛び込んで、社会全体で教育に参加するプログラム*4を仕掛けたり。
こうした動きをつなげるイベントLearn x Creationが8月3日と4日に広尾学園で開催される。
企画した竹村詠美さんは、21世紀の子どもたちにとって必要な教育を考える対話の場を、Most Likely to Succeedというドキュメンタリー映画の上映会*5を通じてつくってきた。
Navigatorとして参加する多様な人たちを見ているだけでワクワクする。僕は(気がついたら)3つのセッションをやる。いろんな方と会場でお会いできることを楽しみにしている。
ユーザー/市民が力を持つ時代における学びとは
というお題だと理解しているけれど、濃いメンバーで話すので、どこに行き着くかわからない。モデレーターは、夏でも赤いマフラーを外さないIT評論家(でいいのだろうか)の尾原和啓さん。僕もよくストールを巻いているのでキャラ被りだ。
そして、Wiredの元編集長で最近独立した若林さん。さらにテクノロジーと教育についてグローバルな知見を持つ小宮山さん。
どんな時間になるだろうか。8月3日の12時からやります。
教育システムの変容を「身体で感じる」ワークショップ
いま、古いシステムから新しいシステムに移っているけれど、新しいものへの不安、これまでのしくみの実績・信頼など、さまざまな感情がある。
どのように変わっていくのだろうか。何が起こるべきなのだろう。どのようなサポートが必要なのだろう。こうしたことを、頭だけでなく、身体で体感するワークショップから、自らにとっての問いとアクションを見出せたら。
The Two Loopsというアプローチのワークショップをやります。8月3日の14時半からです。予備知識などいらないので、ぜひご参加ください。
データを活用した「未来の学び」
これは招待制のアイデアソンなのだけれど、公開でやります。参加者は、EdTech企業のイノベーターや先進的教育を実践する教員やデータサイエンスの専門家など。会場は広尾学園と広島県福山市の2か所(福山市は非公開)で、ここで生まれたアイデアは、秋に福山市で行うハッカソンでカタチにして、来年には同市で実証する。
データは「21世紀の石油」と言われるが、教育の世界ではほとんど活用されていない。このアイデアソンでは、僕が運営に関わっているコクリ!プロジェクトで実践しているアプローチを取り入れている。
太刀川英輔さんが提唱している「進化思考*6」は午前中にやるので、興味がある方は是非。午後はチームに分かれて、ワークとピッチを繰り返します。8月4日の10時から16時です。
*1:すでに予兆は見えている。「未来の学び」は意外と早くやってくると思う理由 - 太田直樹のブログ - 日々是好日 そしていまどこにいるのか。EdTechの現在地、300年の歴史が変わるか - 太田直樹のブログ - 日々是好日
*2:想定外に売れたためAmazonで在庫が切れて、高値で販売される事態になった。https://www.kyouiku-kaihatu.co.jp/bookstore/products/detail/000505
*3:学びのデータが動き出す|埼玉県から広がる教育革命 - 太田直樹のブログ - 日々是好日
*4:「食うに困るアーティスト」という表現を、過去の風変わりな比喩表現にできないか? - 太田直樹のブログ - 日々是好日
*5:Learn x Creationでも上映します。Most Likely to Succeed の作品紹介と自主上映会の様子 — Future Edu Tokyo
*6:進化思考はコクリ!プロジェクトで最初に行なった。生物進化を参考にして、アイデアを「かたち」にしよう! ――「進化思考」入門 | コクリ!プロジェクト