太田直樹のブログ - 日々是好日

テクノロジーが社会を変える

本質的な「学び方」とは?

ありそうでない本

しっかりしたエビデンスがある手法を調査し、深い学びを得るステップを6つに分けて整理している。よくある「自分はこうやったらうまくいった」というものとは質的に異なる。ちなみに、2017年のAmazonのベストサイエンス書だ。「サイエンス」なので、検証されていて、再現可能だ。

なのだけれど、読むと硬い感じはなく、ぐいっと引き込まれる。学習が苦手で特別支援学級に通っていた著者を含めた個人の学びのストーリーをうまく織り交ぜていて、読ませる。例えば、現代アートの天才と言われたジャクソン・ポロックのドリッピング(絵具を垂らしたり、流したり、投げつけたりする独特の手法)は、偶然の産物ではなく、実は学習メソッドを活用して磨き上げた手法である、というような話。

6つのステップ

深い学びへのステップは、箇条書きにしてみると、決して奇をてらったものではない。ただ、各章を読み込むと、自分の学習について、根拠がない思い込みや、試してみたいやり方が見つかる。

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1. 価値を見出す:学びたいと思わなければ学べない。そう、当たり前なのだけれど、僕らはそれを忘れた行動をとりがち。例えば、蛍光ペンで大事な箇所に線を引くこと(多くの場合、受動的)。これは実証研究によると、学びにとって意味がない。

2. 目標を設定する:PBL(プロジェクト・ベースト・ラーニング)は強力だけれど、やはり知識は学習の土台だ。ただ、ここでも効果的なやり方や、誤解がある。例えば、分散して混ぜこぜに学ぶ方が、ある事柄をまとめて勉強するよりも身につく。

3. 能力を伸ばす:練習にも、他人と差がつくやり方がある。個人的には、自分で自分に質問し、記憶を取り出す「検索練習」が興味深かった。

4. 発展させる:基本から踏み出して、知識を応用する。PBLがここ。Most Likely to Succeedの舞台となった高校High Tech Highも取り上げられている。

5. 関係づける:事実情報の先に目を向け、物事がどう結びつくのかを知る。

6. 再考する:自分が分かっていると思うことを本当に分かっているのか。学習は深い。 

学習法はサバイバルツール

10年前に未来の仕事やスキルについて書かれた本が、今読み返すとかなり外れており、現実は予測より加速している。今後はさらに加速し、5年で予測がずれていくだろう。

「サバイバイル」というのは大げさすぎるだろうか。

巻末には、学習者、親、教師、政策担当者に向けたツールキットがある。

<Talks at Googleにおける著者のプレゼン>

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