読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

日々是好日

テクノロジーが社会を変える

念願のnanoに乗った


何だかよく分からない「つけ麺」を腹に納めて、予めホテルで調べてもらっていたnanoのショールームに向う。インドではSMS(ショートメール)が発達している。滞在中、運転手付きのレンタカーを雇っていたのだが、予約状況や車の場所などがいちいち私の携帯にメールされる。また、ホテルでnanoについて聞くと、フロントの男性がTATA(nanoを作っている自動車メーカー)に電話した。するとすぐにSMSが飛んできて、男性はタッチペンですばやく目指す情報を探し出すと、PCのキーボードを叩いて地図で場所を出してくれた。ケータイとPCがうまく融合された使い方だ。

目指すnanoのショールームは、クロスチャーチという大きな鉄道の駅の近くにあるはずだが、なかなか見つからない。膝はだんだん痛くなってくるし、したたり落ちる汗が目に入って痛い。うろうろしていると、まさかというところにnanoはあった。

見つからないはずだ。TATAの金融サービスの小さな店の一角に陳列されている。さっそく中に入ると、店員が寄ってきてあれこれ説明してくれる。中に入って運転席に座ってみる。私は車を全く運転しないのだが、思ったより天井が高く、足のスペースもゆったりしてる。エアコンも標準装備とのこと。後部座席にも座ってみた。大人3名が何とか座れそうなスペースだ。

外にでると、前のボンネットを開けてくれた。そこにガソリンタンクがあり、給油は前で行う。インドらしくスペアのタイヤも納められている。二気筒のエンジンは後部にある。私は車づくりには素人だが、それでもこれだけの車を30万円で売り出すのは革新的だと、実物をみてつくづく思った。

もうひとつ面白いのは販売方法だ。ここもそうだが、nanoの陳列スペースは驚くほど小さい。写真のように、ノベルティやアクセサリーをコンパクトに陳列する棚があって、可動式になっている。BCGのムンバイ事務所のパートナーに聞いた話では、ショッピングセンターのエスカレーターの脇なんかにも、ゲリラ的にディスプレイするらしい。売り方も新しい。



店を後に歩きだしながら、昨日、インドのあるハイテク企業の幹部がいった言葉を思い出していた。「日本企業は資本も技術もあるけれど、新興国ではまだまだだよね。富裕層向けの高いものしか作らないだろう。でも、この(中間層の)大きな市場は、見逃すには惜しいと思わないか。」

まったく同感だ。しかしそれにはイノベーションと熱い思いが必要だ。