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日々是好日

テクノロジーが社会を変える

下る一方の株価 日本企業はダメなのか?

日経平均が下りつづけている。経営リーダーの危機感も高まっている。企業の価値を簡便に測る手段として企業の時価総額というものがある。日本では、株価はよく分からないもの、あるいは、高い時価総額を武器に買収を仕掛けられるなど、あまりポジティブなイメージはないが、株価や時価総額を分析すると興味深いことが浮き彫りになる。

時価総額は、現在の事業から生み出される価値と将来の期待値に分解できる。後者は、まだはっきりとは確立されていないが、その企業に将来生まれるであろう新しい商品や市場に対する投資家の期待だ。

実は、多くの日本企業で2000年代に共通して起こっていることがある。

それは、事業の価値は増大し続け、将来の期待値は縮小していることだ。いくつかの企業は期待価値が何とマイナスに転じている。我々はつい足元の事業の売上や利益ばかりに目がいく。四半期決算が定着した昨今はなおさらだ。しかし、反面将来への布石を怠っているということが明確に現れている。

また株価の利回り、キャピタルゲインと配当金が年率何%で回っているかを計算したものをTSR(Total Shareholder Return)という。高いパフォーマンスの企業の株は20%近い利回りである。日本ではあまり馴染みはないが、米国企業ではよく使われている。

TSRは、事業価値と将来価値、そして財務価値に分解できる。事業価値は売上と利益の成長からくる。将来価値は先のものと同じだ。財務価値は、配当と債務の変化を見る。債務が増えると投資家へのリターンが減る。

日本企業の多くは、2000年以降財務価値を高めているところが多い。不採算な事業を整理し、バランスシートを改善しているのだ。例えば、トヨタパナソニック(社名が変わりましたね)は、何と1兆円以上の現金を有し、負債を大きく削減している。しかし、事業価値や財務価値からくる利回りが大きくても、残念ながら将来価値が全体でのリターンを低めている。

将来がかつてないほど不透明、不安な時代にこそ、確固たる将来のストーリーを打ち出すチャンスだろう。日本企業のPLやバランスシートは概ねしっかりしている。今が好機なのだ。新しい技術への投資、グローバル人材の獲得、M&Aによる事業や市場の拡大などなど。

リーダーの先見力、決断力、実行力がますますが問われる時代なりそうだ。