太田直樹のブログ - 日々是好日

テクノロジーが社会を変える

日本のリーダーシップ

7月に日本でサミットがあるということで、海外で日本を特集したニュースが増えていますね。わたしは通勤中にpodcastでEconomistやBBCニュースを聴いているのですが、こんな問いかけがされていました。

「昨年、日本の最大の取引相手は米国から中国に変わった。今後10年、日本は世界第二位の経済国だが、その後は中国がアジア最大の経済国になる。そこで日本は経済リーダーからビジョナリーリーダーになれるだろうか」
というのがひとつ。もう一つは
「日本は途上国にとって気前のよい援助国だが、日本の新興国の発展をどのようにリードしているのか」
というものです。

BBCのインタビューに応えている政策研究大学院大学の大野教授のコメントは興味深いですね。曰く「日本人はまず村に行き、現地語を学び、工場などの現場に入る。欧米人は首都のホテルにいて世界銀行にレポートを書く。」

日本の流儀はハンズオンで現場にこだわる、欧米のアプローチは問題を一般化し、フレームワークをはめて、世界に発信する(レポートを書く)という対比です。どちらも必要で相互補完的だと論じます。流暢な英語でばっさり論じておられるのが小気味よいですね。

BBCは援助される側も取材しています。ザンビアの商務省の幹部のコメントはこんな感じです。「日本人はほんとにディテールにこだわる。そして現場を変えようとする。欧米は一般的な方法やしくみを提案し、あとはやってみろという。まあ両方必要だね。」

またマレーシアなど他のアジアの支援国も日本流に倣っているそうです。

日本はアフリカに70億ドル(約7000億円)援助しています。地味で愚直だけれども、このような「日本流」が拡大してほしいですし、国内でもっと注目されるといいですね。