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日々是好日

テクノロジーが社会を変える

フラット化する経営


ダイヤモンド・ハーバードビジネスに拙稿「BRICsプラスの優良企業100社」が掲載されました。今号のタイトルは「一流の経営」。私の論文は直接このテーマに関係がないのですが、力の入った号に掲載していただき、岩崎編集長には感謝しています。(しかし、ベストプラクティスを40以上集めながら、「From The Editors」で「ベストプラクティスの罠」とぶつのは、岩崎さん一流のやり方ですね。)

さて、この論文で私が問題提起したかったのは、BRICsプラス発の今後先進国の企業と競争を繰り広げる可能性がある企業群のあまり認識されていない強みもさることながら、先進国企業経営者の「右肩下がり発想」です。

論文中のグラフを見ていただくと一目瞭然なのですが、経営者へのアンケートによると、BRICsが全社に占める比率が、「売上」「従業員」「資産」「経営リーダー」の順に小さくなっていくのです。すなわち、BRICs市場で売上はあげたいが、経営は本国中心でいくよ、ということです。

私の課題意識は、このような「右肩下がり」の経営ではイノベーションの競争優位で遅れをとるのではないか、ということです。よくよく考えた上での、本国中心でやるという戦略があればいいのですけれど、「経営しやすい」ということで、上のような発想になっているのではないでしょうか。

シスコなどの一部の先進企業では、R&Dや経営リーダーをより積極的にBRICsに配置する、いわば「フラット化」に取り組んでいます。

とは言え、時流にのった急激なフラット化は、必ずしもプラスとは限りません。日本企業でも経営メンバーをグローバル化しているところがでてきていますが、実際にお話を伺うと、「英語で経営会議をやって、突っ込んだ議論をするのは本当に大変だし、質の高い意思決定をするまでの道のりは長い」という声を聞きます。

実際、私もBCGの経営メンバーの末席にいるわけですが、日々の国際電話での会議、年2回のパートナー会議などで議論するのに四苦八苦しているのが、恥ずかしながら実態です。議論の背景には、時には宗教や文化の問題が見えることもあり、神経もつかいます。

しかし、フラット化の流れは不可避でしょう。これからの日本のリーダーやプロフェッショナルの方々には、ぜひこの土俵で活躍していただきたいと思います。