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日々是好日

テクノロジーが社会を変える

iPhoneはどこかすごいのか

iPhoneについて面白い特集があったのでとりあげてみたいと思います。日経エレクトロニクス7月30日号の論文、『iPhoneはどこがすごいのか』です。

iPhoneのインターフェースを認知心理学者と米国のデザイン会社2社に評価してもらっています。評価は大きく4つのかたまりに分かれています。まず、箱を開けて使い始めるまで。つぎに、初めて使ってみたとき。ついで、基本的な電話の機能。最後に人間工学上の配慮と形状です。けっこう直訳調の論文ですが、iPhone発売からすぐのタイミングでこの企画をぶつけるスピード感は素晴らしいですね。

内容で興味深いのは、5点満点の評点で、5と1が混在していること。例えば、留守番電話の再生は「驚くべき体験」で5点、リダイヤルは何度も画面をクリックする必要があるので1点という具合です。なかなか詳細で臨場感のある評価です。

特筆すべきは、評価の後に「ペルソナ」(セグメントではなく、ある個人を想定してニーズを理解すること)を持ち出して、アップルが何を選び、何を捨てたかという考察を行っていることです。論文としては少し尻つぼみの感があり、ペルソナの記述も一般的ですが、たとえば、サッカー・ママ(学校に通う子供がいて、子供に習い事をさせ、郊外に住んでSUVを乗りこなす生活スタイルを持つ主婦)には、iPhoneがどう受け取られかなどを分析しています。

多くの日本企業がiPhoneの実機の入手しているはずですが、このような分析にはまだ到っていないように思います。

アップルで開発に従事していたこともある認知心理学者、Donald A. Norman氏のコメントのコラムに「日本企業にもできる」とありますが、ここが考えどころです。

確かに、技術やアイデアは、Norman氏のいうように日本企業の個々のエンジニアにもあるのだと思います。ただポイントは、アップルのスピード感とそれに伴う商品企画のメリハリを実現する方法論、体制が日本企業にあるかどうか、ということでしょう。

この論文は、日本企業の開発者の多くも読んでおられると思いますから、今後の展開を大いに期待したいですね。