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日々是好日

テクノロジーが社会を変える

リードユーザーイノベーション@WBS

隔年で早稲田大学MBAで講義をさせていただいています。授業は7時からなのですが、受講生は社会人が圧倒的で、貴重な時間を投資している分、真剣味があっていろいろと学ぶことがあります。

やる度に、7割は固めの内容にして残りは実験的なことをやるのですが、今年は前者はクリステンセンの「イノベーションのジレンマ」についてのワークショップ、後者はヒッペルの「民主化するイノベーション」を取り上げました。

後者については、ヒッペルの本を読むと「なるほどなあ」と思うものの、これを実務家がどうビジネスに活かすかという点で疑問に思う点がいくつかあり、それらを中心に授業で議論しました。

ひとつは、リードユーザーがイノベーションを起こしやすい業界とそうではないものはどう判断するのか。もうひとつは、イノベーションが起こったとして、それが大多数のユーザーに波及する場合とそうでない場合をどう判断するか、という2点です。

わたしの仮説は、両方ともかなり限定的なのでは、というものでした。前者については、規制、規模、情報、こだわりの度合いなどいくつかのハードルを越えないとイノベーションは起こりません。

また後者についても、40名の受講者から集めた事例からいくつかを取り上げて、予想される波及度合いを議論したのですが、なかなかマスまで広がるものを見つけるのは困難でした。

(ここで話は飛びますが)結局、ヒッペルが言っているのは、企業がセグメントの切り口で商品ニーズを捉える限り、そこからこぼれ落ちるユーザーニーズがあり、リードユーザーは自分でカスタマイズしてイノベーションを起こすということです。

これは企業の商品開発がセグメントから個をフォーカスするものに、手法として洗練されていくにつれて、いわば「特殊理論」として当てはまる領域が狭まってくるように思います。

要はマス・カスタマイゼーションが成り立てば、カスタマイズそのものがユーザーの楽しみ、という場合を除いて企業側にイノベーションが取り込まれるのでは、ということです。

覚え書きとして少し乱暴に記しましたが、なかなか収穫の多い講義でした。参加した方々にもそうであるとよいのですけれど。

イノベーションのジレンマについてのワークショップ
http://blog.goo.ne.jp/kozatori7/e/4654298f41334206ccaff9190e57514d

クリステンセンとヒッペル
http://blog.goo.ne.jp/kozatori7/e/85173b0184444eae7bf16a8fc88dedce