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日々是好日

テクノロジーが社会を変える

ある社会起業家の目の輝き

夕べはプロジェクトのためにほとんど徹夜でした(みんな、お疲れさん)。クライアントとのミーティングが終わってぐったりしていた金曜日の夕方、医療の世界を変えうるような健康サポート事業を立ち上げている社会起業家の平さんとお会いしました。

今は事業の準備中で、本業は医科向けの薬の営業をされています。お会いするのは二度目ですが、小柄でおっとりした感じの女性で、見た目では「起業家」という風に見えません。(では起業家はどんな感じなんだ、と聞かれると難しいのですが)

今日は、事業の立ち上げについてのブレストをしました。

健康サポートとは、生活習慣病を中心に、病気になる前に予防するためのプログラムを提供するというものです。こう書くと至極あたり前のことのように聞こえますが、最近になっていろいろと動きが起こっているのです。

まず第1に、生活習慣病が医療費に占める割合が高くなっていること。日本では3割程度、米国ではもっと高くなっています。次に、そうであるにも関わらず、生活習慣病の予備軍はあまり健康意識が高くなく、かつ、たとえ病気になってもなかなか治療をしないのです。

例えば糖尿病の場合、潜在的な患者は1400万人と推定されますが、きちんと治療している人は何と1割程度しかいません。結果、合併症や死亡の数が増えています。

健康サポートは、米国ではManaged Careなどと呼ばれており、医療保険の加入者向けにプログラムを提供しています。生活習慣病を中心に、プログラムの運用によって医療費を1割から3割程度削減することを謳っています。

そのインパクトをざっくり計算してみましょう。医療費が30兆円だとすると、生活習慣病の分が3割の9兆円、その2割を削減できるとすると1.8兆円ですね。このうちの半分が病院ではなく外部企業がプログラムを運営し、半分を健康保険と加入者に還元するとしたら・・・4500億円のビジネスになります!!

ですからいろんな企業がこの分野には参入を目論んでいます。そんな中で小さなNPO法人に何ができるのか・・・

最初、わたしの頭の中にはたくさんの「?」があって、とても無理だろうなあと思っていたのです。でも平さんと何度か話していると、その底抜けのポジティブさ、目の輝き、真剣な姿勢に心を打たれるとともに、ひとつ気がついたのです。

実は大企業もこの事業には苦戦しています。いいプログラムができないのです。したがって、加入者が集まらない。もともと医療の分野はサービス業としてみると非常にサプライヤー本位で遅れています。加えて、「生活習慣病」ですから習慣を変える必要があるのですが、想像してみてください、結構大変ですよね。

平さんの団体が作るプログラムは、まだテスト期間中ですが、利用者からの評判はなかなか上々のようです。大企業が苦戦する中、このような人からイノベーションが生まれるのではないかと思いました。