「グローバル競争」というテーマで、最近経営者の方と議論をすることがめっきり減ったように思います。思い起こせば90年代には、「グローバルスタンダード」や「大競争時代」という言葉が飛び交い、その少し後には「これからは中国だ」という威勢のいい声もありましたが、すっかり落ち着いた感があります。
今週の週刊ダイヤモンドに特別レポートということで、「躍進するBRICsプラスの100社−日本企業はいかに対処すべきか」という記事を書きました。
週刊ダイヤモンド目次
http://dw.diamond.ne.jp/number/061021/index.html
BRICsに加えてメキシコや中東といった国(BRICsプラスと名づけました)で成長著しい企業100社についてBCGで分析したレポートから書き起こしたのですが、そこで見えてくるのは一般に言われている低コストだけではなく、高い技術力やブランド力、または画期的なビジネスモデルを武器にグローバル市場を今後席巻する企業群です。
多くの日本企業にとって、これらの企業はまだレーダースクリーンに映っていないのではないでしょうか。日本のお家芸と言われているような家電や部品、携帯電話通信などでも非常に競争力の高い企業があります。
高度成長期の日本企業も欧米企業から見ると似たような存在だったかもしれませんが、これらBRICsプラス企業が異なるのは、当時の日本企業にはない自国市場の厳しさを勝ち残ってきている点です。
すなわち、GDPが低いために一段高い「お値打ち感」が求められ、かつ、大資本で参入している外資企業を向こうに回して戦ってきた企業群です。そこから様々なイノベーションが生まれています。
いま迫りつつあるグローバル競争の波は、大きな破壊力をもっていると思います。経営者の真価が問われる局面が、これからの5年ほどの間にやってくるでしょう。