高級車や高級オーディオなど団塊世代のこだわりを捉えた商品で向こう3年くらいは盛り上がるかと思います。しかしその先、市場は大きく変わるのではないかと私は考えています。
団塊世代のオヤジは、日本の経済発展を満喫する最後の世代になります。
1人あたりGDPで見てみると、団塊世代が子供の頃が今の中国並。就職期に韓国並になって、子育てをしている間にヨーロッパを追い抜き、子離れした頃はアメリカ並みで、定年後は老後の資金が蓄えてある、というのが平均像です。
モノで見てみましょう。3種の神器(電気洗濯機、電気冷蔵庫、電気掃除機)が団塊世代の就職、結婚期に100%近い普及度になっています。新3種の神器(カラーテレビ、ルームエアコン、自家用車)は育児・教育期に急激に普及していきます。持ち家率も40代前半で7割という高さです。
ひとことで言うと、「今日より明日が豊かである」という人生だと言えます。
しかしポスト団塊は・・・ここで多くを語る必要はないと思いますが、「親より必ずしも豊かでない」という世代になります。もちろん「豊かさ」の定義は議論の余地がありますが。
だとすると、「こだわりの逸品」でマーケットが盛り上がるのはごく短期かもしれません。そのあとは何が起こるのでしょうか?
また別の機会にまとめたいと思うのですが、私はグローバルの「お値打ち商品」がなだれをうって日本に入ってくるのではないかと思います。
これまで日本の消費者は非常に「品質にうるさい」ために海外の製品の参入は難しいと言われてきました。しかし、その「品質」は、包装などが顕著な例ですが、過剰なものが多いのではないでしょうか。それが団塊以降は変わってくると思うのです。
日本の製造業、小売業は、2010年以降に真のグローバル競争に晒されるのではないでしょうか。