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太田直樹のブログ - 日々是好日

テクノロジーが社会を変える

戦略とは何か2006(その2)

米国を中心とする企業戦略には大きく2つの派閥があります。ひとつはHBSの大御所ポーター教授のポジショニング論。もうひとつはオハイオ州立大学のバーニー教授が唱えるリソースベース論です。両者は直接、間接さまざまなところで論戦を行っており、2001年5月号のダイヤモンドハーバードビジネスでは特集まで組まれています。

では、企業の実務家にとってこの2つを区別することはどのような意味があるのでしょうか。結論から言えば、
2つの戦略論を区別することはほとんど意味がありません

簡単に言えばバーニー氏は模倣困難なケイパビリティに着目し、ポーター氏はそのケイパビリティの結果としてのコスト優位や差別化が大事だと説いているということです。言い換えると持続可能な競争優位について、前者は企業の内側から眺め、後者は外側を見ていると言ってもいいでしょう。強いて違いを言えば、ポーター氏はユニークな価値提供に重きを置き、バーニー氏はその持続可能性に有用な枠組みを提供しているということです。

また、両者はインターネットのインパクトについて共通した認識をしていると思います。まず、業界の垣根が低くなり異業種が競争するケースが増えていること。さらに情報の非対称性が小さくなり持続可能な優位性の獲得が難しくなっていること。

実務家にとって意味があるのは、「価値提供(value proposition)」と「価値連鎖(value chain)」に分解して、どうやって儲けるのかを考えることでしょう。私はこの「儲けのしくみ」がビジネスモデルであると定義しています。

「儲かる企業は何が違うのか」という命題を考える際には、ここを出発点とするのが大事です。ちなみに早稲田大学の根来教授の研究によれば、企業の収益性を決める要因としてはポーターの唱える「業界」よりも「ビジネスモデル」の方がインパクトが大きい、というものもあります。もうひとつちなみに、私がBCGの前にいたのはポーター教授が創立に関わったモニターであり、いまでも深く尊敬しています(とってつけたようですが)。

ということでISLのセッションではビジネスモデルのワークショップをやってみようと考えています。