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太田直樹のブログ - 日々是好日

テクノロジーが社会を変える

失敗の本質


週末に、名作『失敗の本質』を書かれた杉之尾氏とジョイントで講義をするので、氏の著作を読み返しました。6つの敗戦の詳細な研究を通して、日本軍の敗戦の真因を鮮やかに提示しています。「目的不明確」「情報軽視」「属人的意思決定」「既成概念への固執」などですが、これらは、90年以降の日本企業の「敗戦」の原因としても通じるものが多いのではないでしょうか。

本書では、太平洋戦争において、戦争の手法が「非連続に」変化し、それに日本軍が対応できなかった、と指摘しています。では、90年代に企業に起こった「非連続」は何でしょうか。そこでは、「情報」が経営環境を大きく変えたのではないかと思います。
・売り手と買い手の情報の非対照性が崩れたこと
・商品価値における機能に対して、心理的(=情報)価値の比重が高まったこと
・取引コストが下がり、価値連鎖(バリューチェーン)が再統合されたこと
などです。

本書では、敗因の原因に対しての処方はそれほど掘り下げられてはいません。ただ、一つ言えるのは、非連続を超えるのは、リーダーにしかできないという点でしょうか。リーダー育成の意義について、改めて意を強くしました。