シンコの季節です。今週やっとありつけました。
寿司を本格的に食べだしたのは、社会人になってからです。以前勤めていた会社の近くでふらっと入った店のコハダに感動したのが始まりでした。
ご主人は当時で齢70を越える職人でしたが、後で昭和の食通である魯山人の愛弟子だとわかりました。新橋にある新富鮨という店ですが、ご主人は今はもう引退されています。「美味しんぼ」に出ていることも後で知りました。
そこで様々なことを教わりました。ネタの旬。寿司の食べ方。
握ったら一分以内に食べるもんだ
特に口やかましい方ではなく、どちらかと言えば無口な人でしたが、私にはあれこれ教えてくれました。
最近は、今の会社の近くの「はしぐち」に通っています。
カウンターのみで、6人も入るといっぱいの小さな店ですが、ご夫婦で真面目な仕事をされています。
席についてまず目をみはるのが、ご主人の手の大きさです。グローブのように大きいのです。
そして、その手が実に繊細な寿司を握るのに驚きます。
この店は「握りの真髄」という本で以前から知ってました。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4168112195/249-5889504-9994754
「すきやばし次郎」「おけい寿司」と並んで、若手の職人ながら紹介されていたので記憶に残っていたのです。
本が出てから10年以上たってから訪れたので、さすがに髪に白いものも混ざり、ご主人ももう「若手の職人」ではなくなっていましたが、実に真剣に寿司を握る姿勢に心を打たれました。
自分は何かを極めることができるだろうか。うまい寿司を食べた帰り道に、いつも考えます。