太田直樹のブログ - 日々是好日

テクノロジーが社会を変える

経営と戦略

デジタルガバメントに希望はあるか

年明けの通常国会に関連法案が提出され、秋にはデジタルガバメントの司令塔になるデジタル庁が発足する見込みだ。どうすれば未来につながるアクションが起こせるのか、ということについて私見をまとめてみた。

『シン・ニホン』 - 感想から行動へ

『シン・ニホン』を手にとってから1週間が経ち、まだ身体の中に余韻が残っている。エネルギーが湧き出ている感じだ。でも、本書の内容はあまりにも壮大で、この熱量をどこに向けたらいいのだろう。また、日々向き合っている現実は、相変わらず悩ましくて、ふ…

100年にいちどの新市場と10年後に人々がもっともお金を払うこと

人生100年と言われるようになると、50歳から75歳の「サード・エイジ」には、まだ暮らし方のモデルがない。また、人々が一番お金を払う対象は「優れたひとの側にいること(ピアエフェクト)」になる

鎌倉資本主義を考える日(第0回)

「鎌倉資本主義を考える日」に参加した。面白法人カヤックの柳澤さんの声かけで、鎌倉に拠点を構える企業、カヤックの他、パタゴニア、鎌倉投信などの経営者や(この言い方は好きではないけれど)有識者が、建長寺に集まり、半日みっちり議論した。 「資本主…

今年もやります@神戸大学MBA

1月から神戸大学MBAで「グローバル戦略」と銘打って講座をやらせていただく。 昨年は、全4回の講座を4名のパートナーが得意ネタを持ち寄って構成したが、(あたりまえだが)どうも寄席とは違って、「(講義と評価に)一貫性がない」ということで、なかなか厳…

Green Consumer

ある新聞の新年の企画の取材を受けた。お題は2020年の消費社会。私はBCGが最近行った「Green Consumer」という切り口から、消費行動がどう変わるかについて話をした。 そもそも何を「グリーン商品」と捉えるのだろうか。商品カテゴリーで言えば、一般消費財…

ものづくり企業の未来

更新が滞っており、各方面からお叱りを受けている。忙しいのかといえばそうなのだけれど、不眠不休で働いているかといえば4時間は寝ているし、娘の影響で「はがれん(鋼の錬金術師)」を大人買いして悦に入ったりしている。 ただ、古傷の膝を痛めてしまい、…

Be aware of a next explosion of the Internet

BBCをpod castで聞いていて、久しぶりにびっくりするニュースに出くわした。「インターネットの父」と言われるVint Cerf氏へのインタビューだ。最初は落ち着いた調子で質問していたBBCのキャスターが、Cerf氏の話が進むにつれ、思わず噛みながら「Let..Let m…

念願のnanoに乗った

何だかよく分からない「つけ麺」を腹に納めて、予めホテルで調べてもらっていたnanoのショールームに向う。インドではSMS(ショートメール)が発達している。滞在中、運転手付きのレンタカーを雇っていたのだが、予約状況や車の場所などがいちいち私の携帯に…

グローバルマネーの動向とSWF

年末、LBSの同級生である長谷川さんからこの本を送ってもらった。みずほ総研の市場調査部長で、精力的に活動している。お題は、最近存在感を急速に増しているSWF(政府系ファンド)に焦点をあてたグローバルマネーの最近の動向だ。経営トップと話していても…

脱ガラパゴス−「ものづくり」から「ものがたり」へ

12月号のダイヤモンド・ハーバードビジネスの特集「優位」の教訓はは読み応えがあった。金融危機に端を発する世界的な経済の混迷の中、悩めるビジネスリーダーに勇気を与えてくれるのではないだろうか。特に、CEOが自ら語る論考には、読んでいて思わず身をの…

世の中大変なことになっていますが

BCGから出る久々の戦略本だ。翻訳のためにこの夏山に篭った(海だったかな)。まえがきにも書いたが、それほど目新しいキーワードが並んでいるわけでもない。また、すぐに役に立つハウツー本でもない。どんな本かと言うと、今後10年の間に競争優位の源泉にな…

下る一方の株価 日本企業はダメなのか?

日経平均が下りつづけている。経営リーダーの危機感も高まっている。企業の価値を簡便に測る手段として企業の時価総額というものがある。日本では、株価はよく分からないもの、あるいは、高い時価総額を武器に買収を仕掛けられるなど、あまりポジティブなイ…

自分自身の経営権を手に入れる

最近、ちょいとマクロな小難しい話に入り込みすぎました。少し思考が止まってしまったので、ひとりひとりについて考えてみようと、手にとったのがこれです。糸井重里氏の「ほぼ日」に連載されていた就職論をまとめた「はたらきたい。」という一冊。 なぜわれ…

グローバル資本主義はいかにして生まれたか?

資本主義が未来をつくる、という前向きな本に、曰く言い難い違和感を感じたということを先日書きましたが、そんなときにふと書店で手にとった本がこれでした。『千夜千冊』というぶったまげるような書評集を出し博覧強記で知られる、松岡正剛氏(セイゴウ先…

インテルのスケールとスピード

「インターネットにつながっている10億人ではない。チャンスは、つながっていない50億人にある。」インテルのマネジメントのコメントです。スケールがでかいなあ。 最近、通勤途中でPodcastを聴いています。よく聴くのはハイテクニュース中心のCNET.comと英…

ケータイが、ガラパゴス化しないために

またNokiaが派手な商品発表をやりましたね。ケンブリッジ大学と共同開発した「透明&伸び縮みケータイ」を、ニューヨーク近代美術館(MoMA)とコラボして発表したのです。 これ、曲がるんですよ。スゴイですね。欲しいなあ・・・。7年以内に実用化するという…

マイクロソフトがYahoo!を買収してどうなる!?

日々新幹線に乗ってピンポン玉のように飛び回っております。さて、今日も新幹線で、「さあっ、独り400字小論文だ!」と、やってみたのが上のお題。 わたしが設定した論点は、「そもそも、ネット広告市場って5兆円近くも買収資金を投下するほど魅力的なのか」…

グローバル化の本質とは? その壱

週末の勉強で、昨年話題になった『人々はなぜグローバル化の本質を見誤るのか』(水野和夫氏)を読みました。正直なところ「?」という印象でした。部分部分は興味深く、特にコンサルタントのわたしにとってはグラフや数字が豊富な本書はツボにはまるのです…

サブプライムってどんな意味があるのだろう

「サブ・プライム問題について、400字で論ぜよ。制限時間は10分」 今日、新幹線に乗っている間に、問題をつくって書いてみました。この手の頭の体操は簡単にできるのでオススメです。 実は、ぶっちゃけると、コンサルタントはマクロ経済について語るのはあま…

来年の宿題

今年は本当に忙しい年でした(まだ終わっていませんが)。いろんな人に助けられ、心に残る縁もあり、いくつかのことを達成はしたものの、ダイヤモンド・ハーバードビジネス(DHBR)の『「公器」の経営』を読み、ああ、とため息をついてしまいました。 直接の…

フラット化する経営

ダイヤモンド・ハーバードビジネスに拙稿「BRICsプラスの優良企業100社」が掲載されました。今号のタイトルは「一流の経営」。私の論文は直接このテーマに関係がないのですが、力の入った号に掲載していただき、岩崎編集長には感謝しています。(しかし、ベ…

中国企業の強みは何か?

久し振りに北京に行ってきました。3年振りでしょうか。前回出張時には空港はあったと思いますが、高速道路や鉄道が整備され、高層ビルが立ち並ぶその姿には圧倒されました。 一緒に行った同僚は、2,3年前に比べて道端ツバを吐く人が少なくなったし、下着をつ…

アイデアというのはなにか?

という面白い連載が「ほぼ日」で始まりました。任天堂の岩田社長と糸井重里氏の雑談(失礼)をまとめたものです。 http://www.1101.com/iwata/index.html 「アイデアというのは 複数の問題を一気に解決するものである」 というくだりから始まるのですが、読…

iPhoneはどこかすごいのか

iPhoneについて面白い特集があったのでとりあげてみたいと思います。日経エレクトロニクス7月30日号の論文、『iPhoneはどこがすごいのか』です。 iPhoneのインターフェースを認知心理学者と米国のデザイン会社2社に評価してもらっています。評価は大きく4…

Googleフォンをちょっと考えてみる

WSJにグーグル・フォンの記事が出たと紹介されています(下の記事)。ポイントになりそうなところを少し考えてみたいと思います。 「Googleが携帯電話を計画」,米紙報道 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070803/279045/ ポイント1:「差別化す…

ネット民主主義@ISL

ISLの野田さんに頼まれて「ネット民主主義」というお題でセッションをしてきました。参加者は30代の経営リーダーコース受講生。セッションには、グーグルで広告戦略を引っ張る高弘氏、ファシリテーターはリクルートの宮本氏と、こう面子を並べただけでも、尺…

実践競争戦略@WBS 終了!

ISLに続いて、早稲田大学ビジネススクールの授業が終わりました。講座名は「実践競争戦略」ということで、実務家が使える戦略ツールを「先見力」「決断力」「実行力」という3つの切り口でやってみました。これを3名のパートナーで分担し、わたしは「先見力…

現場力を考える@産業技術記念館

わたしが働くBCGの若手が企画した勉強会で、名古屋にある産業技術記念館に行ってきました。ここは1994年に「ものづくり」をたくさんの人に伝えるために、トヨタグループが総力をあげて作った博物館です。 もう200万人が訪れているということですから、機会が…

差別化するなら10倍

また今週ダイヤモンドハーバードビジネスの岩崎編集長との打ち合わせがあり、頭がくらくらして熱が出そうなのですが、同誌の今月号にとてもインパクトのある論文を見つけました。 開発者と消費者の間にある深い溝 新製品と消費者行動の経済学 ハーバード・ビ…