太田直樹のブログ - 日々是好日

テクノロジーが社会を変える

テクノロジーと社会

デジタルエコノミーで脱落しつつある日本

”おそらくもっとも驚くべき結果は、日本の位置付けだろう” とレポートで言われたように、日本はデジタルエコノミーのスコアで主要国最下位となった。時間はかかるが、投資すべきは人だ。

100年にいちどの新市場と10年後に人々がもっともお金を払うこと

人生100年と言われるようになると、50歳から75歳の「サード・エイジ」には、まだ暮らし方のモデルがない。また、人々が一番お金を払う対象は「優れたひとの側にいること(ピアエフェクト)」になる

予想だにしなかった光景を会津で見た

会津で行なった3日間のプロトタイピング合宿は、予想をはるかに超えたものになった。最終日のデモを見ていて、熱いものが込み上げてきた。一体、会津で何が起こったのだろうか。

「犯罪予測警察」は未来の物語ではない

自分のあらゆるデータが捕捉され、社会が「最適化」される世界は、2020年代にくっきりと目の前に現れるだろう。そして、それが起こることに対する選択肢は、あまりないだろう。都市から脱出して、ネットからも離れて、どこかの村に籠らない限りは。

Code for Japan Summit 2018が楽しかった

この文章を読んでいただいているあなたにオススメしたいのは、Code for JapanのFacebookかTwitterをフォローして、次のサミットに参加することだ。社会を良くすることについて、ギークだけでなく、自治体職員や官僚や研究者や学生や経営者や議員やデザイナー…

3分で分かる「官民データ法」から「デジタルファースト法」への道のり

地方自治体の官民データ活用推進計画は、策定が義務である都道府県で4団体、努力義務である市区町村は15団体にとどまっている。一方、6月に閣議決定された「未来投資戦略2018」は、デジタル・ガバメントが柱のひとつになっている。

地方テレビ局の未来

NHKの同時再送信への本格参入が仕上げとなって、2020年ごろには放送と通信の融合は完了する。それは、県域免許に守られていたローカル局を、根底から揺さぶる。なぜなら、キー局から配信される番組と広告料がローカル局を支えているから。

食の未来|2030年ごろ、3つのシナリオ

10年から15年くらい先には、食が劇的に変わっていると思われる。今まで通り、ご飯やパン、肉を食べたいなら「遺伝子編集」という技術の導入が進むだろう。遺伝子編集が、遺伝子組み換えのような対立構造や、あるいは技術的な課題で停滞した時は、どうなるか…

2018年前半のブログ記事ハイライト

もし、2050年の未来から地方創生を振り返ったら、それは僕らにとってどんな意味を持つのだろうか。自分が進む方向に一歩踏み出すことを後押ししてくれた記事。2000人以上にシェアいただき、3万人以上に読んでいただきました。

「未来の学び」は意外と早くやってくると思う理由

2020年ごろまでに、教育はこうなっている。 好きなことを好きなように探求するプロジェクト型学習を、年間100時間以上没頭できる。公立で、学校を飛び出して、地域社会に入ってプロジェクトを行える高校が全国に100校以上あって、毎年数千人が「留学」してい…

ルワンダが熱い|PPPの役割

JICAでICTのスペシャリストとして活動している渡辺英樹さんは、グローバル全体が担当領域だが、最近は4割の時間をアフリカに費やしていると聞いた。特にルワンダ。特筆すべきは、「アフリカの入り口」として、カガメ大統領がSmart Africaというアフリカ全体…

メルカリ化が世界を救う?| 「所有」がない社会モデル

指輪やペットなど私的なものを除いて、全てのものが常にオークションの対象になって、独占や既得権が廃され、公共化された資産からの利益が等しく配分されることで、僕らの社会は次のステージに進むことができる。話題の本『Radical Markets*1』が提案する社…

このイメージを共有したい | 官民データ法からデジタルファースト法へ進んでいくのだけれど

最近、電子行政の加速を目指す経産省のデジタルトランスフォーメーションオフィス(DXオフィス)の求人が話題になった。1名の募集に500名のエンジニアが殺到したらしい。ルールやハコが不要だとは言わないけれど、利用者視点を徹底し、過去のレガシーに向き…

データポータビリティ|空気が変わらないか

日立東大ラボによる「ハビタット・イノベーション」のフォーラムにパネリストとして参加するのだけれど、個人的に注目しているのは二つ。ひとつは、日本では一進一退のデータポータビリティの突破口を探ること。GDPRの検討では、消費者についての詳細な分析…

「無慈悲で、残酷な」世界|「自分で作れないものを、私は理解していない」の果て?

情報学が目下進行中の第4次産業革命を牽引し、次は、生物学が世界を創っていくのだろうか。ということをつらつら考えながら『合成生物学の衝撃』の紹介。

答えはないのだけれど、分断を越えて議論したい問いとは?

35歳以下のいわゆるミレニアム世代は、4割しか資本主義を支持していない。「ソーシャルメディアで他人を攻撃する発言をしていい」を支持する高校生は43%だ。今世紀には個人がテクノロジーを取り戻すことを後押しするのだろうか。

あなたのデータは25万6千円の価値がある | GDPRのもう一つの狙い

EUの欧州委員会は「欧州市民のデータの価値は、2020年には1兆ユーロ(132兆円)にまで拡大する」とし、それを「デジタル巨人に独占させるわけにはいかない」と、GDPRについてのプレスリリースで明確に宣言している。

ずっと幼稚園児でいいのだ|テクノロジーによる暗い未来を変える”1000年間における最も偉大な発明”

AIなどの新しい技術によって雇用が奪われる、文明が危ういとか言われるとき、それを変えうるものが「幼稚園」だと言われたらどうだろうか。これまでの1000年間になされた発明のうち最も偉大なものは何かを議論する会議に参加したレズニックは、印刷機、蒸気…

脱「様子見」のチャンス|官民データ活用を駆動するデータアカデミー

こんなことは当市で直ぐに真似出来ない。確かに。そこでご紹介したいのが「データアカデミー」という取組みだ。Code for Japanの市川さんを中心にしたチームに「これはいい!」というフィードバックが多数寄せられている。噂を聞きつけて、企業向けに実施し…

20%のデジタル利用率のインパクト | 会津若松で見えた未来

データ駆動社会から未来の事業を構想したい人は是非会津若松に行く*1ことをオススメする(できれば日帰りより泊まりで*2)。市民の5人に1人が行政のデジタルサービスを使っている*3地域は、多分、日本には他にない。 個人データは「わたしの」データという…

「会津がすごい年表」を作ってみた

改めて思うのは、10万人規模のエリアは、イノベーションが高速で起こるのにちょうどいい規模ではないかということ。会津の場合、一人のリーダー・組織が引っ張っているのではなく、複数の流れがあって、その多様性がいい。

「良い時間(time well spent)」を巡る動き | 国家対企業、効率と幸福

Facebookへの風当たりが強くなっている。昨年12月にCB Insightsが行った調査では、10年後に同社が「全体として社会にマイナス」と言う人は6割になった。フェイクニュースにいち早く警鐘を鳴らした一人のアビブ・オバディアが、フェイクニュースは序の口で、…

”人工知能は共産主義的” by ピーター・ティール

暗号(通貨)はリバタリアン(自由至上主義者)、AIはコミュニスト(共産主義者)だ。だから、中国共産党はAIに好意的で、暗号通貨を嫌うんだ。

ヘルスケア業界で、ついに破壊的イノベーションが起こるのだろうか

1月30日に発表されたAmazon、バークシャー・ハサウェイ、JPモルガンが提携し、合わせて約100万人の従業員の医療費削減に向けて、ヘルスケア企業を共同で立ち上げるというニュース*1は、主要なヘルスケア企業の株価を5%ほど下落させる形で波紋を広げた。 The…

それはHYPEなのか、それともHOPEなのか

教育システムはどうなるのか、というテーマでThe Two Loopsについて書いた*1。これについて、いま、いろんな人と話をしている。そして、近い将来に、根深い対立があるかもしれないと感じている。例として、米国のチャータースクールのひとつ、Rocketship Edu…

岐路に立つマイナンバーカード

導入してから2年で1割*1という普及率のマイナンバーカード は、この先どうなるのだろうか。現在、交付申請は伸び悩んでいる。2020年のいくつかのシナリオ*2と逆算したアクションを提案してみたい。 シナリオ① 停滞:住基カードの二の舞 もっとも避けたいシナ…

電子行政で日本がイケていない構造と突破口(後編)

行政のデジタル化のグローバルな潮流をつくったのは、英国のGDS(Government Digital Service)という組織だ。米国のUSDSや18Fは、GDSに刺激されて出来たし、最近、日本からたくさんの人が視察に行っている(その成果はいつでるのかな...)。 このWorking at…

電子行政で日本がイケていない構造と突破口(前編)

電子政府は2001年から国の重点政策課題とされているが、関心を持つ人はとても少ない。ただ、顕在化しているところではビジネスのし易さについては明確にマイナスになっている。近い未来でいえば、子供の孤独など横断的な課題への対応力などで、大きな差がつ…

「教育改革」のゆくえ

最近、教育改革は教育から入らない方がよいのではないか、と考えている。新しいシステムは、いろいろなオルタナティブがひしめいていて、まだ混沌としているけれど、おそらく見えてきているのは「自分で学んでいく、しかもそのやり方はさまざま(self-direct…

2017年のまとめ

2017年は、僕らが「多分後戻りのできない分岐点」にいて「けれどそのことの自覚が難しい」中で「自分なりの問いとアクション」が見えた年だった。未来への投資が削られる国に、未来はない。国家は立ちすくんでいて、それほど遠くない未来に世界を動かしてい…