太田直樹のブログ - 日々是好日

テクノロジーが社会を変える

テクノロジーと社会

奇跡のような場で起こりつつある、予想だにしなかった未来

100年後に「歴史が変わった」と言われるような社会実験を次々と起こそうとしているコミュニティがある。僕は1年前くらいから運営側に入り、個人のプロボノとして活動している。コクリ!プロジェクトについて、そろそろこのブログでも書いてみたい。このコミ…

僕らは日本の将来の岐路に立っていて、そのことの自覚や議論が難しいことについて

2050年の日本の将来シナリオをグラフィックで示したその動画は、控えめに言っても衝撃的だった。日立京大ラボまで、足を運んで良かった。9月に研究成果の記事*1も出ているけれど、僕なりにここで整理してみたい。 研究チームにとって「意外だった」のは、「…

中国企業で働くことが、当たり前になる日

北京大学のエグゼクティブMBA向けの授業をやった。大きなテーマは「成熟した経済における成長戦略」。中国は、実は2011年から労働人口が減少に転じていて、今後、急速に高齢化が進む。国の大きさは異なるが、日本を将来の中国と見立てて、議論を進めた。

3分で分かる「官民データ活用推進」の滑り出し

10月27日に、我が国の成長戦略の柱となる「官民データ活用推進基本計画」の最初の振り返りが、実行委員会で行われた。定量的に見る限り、21名の委員のうち欠席12名・代理出席1名、ニュース記事ゼロということで、残念なことに「本気度」が低く、したがって社…

地方は世界的に厳しい、エコノミスト誌とMITメディアラボの記事

エコノミスト誌に、先進国において、豊かな地域と貧しい地域の差が広がっているという特集があった。まず事実として、豊かな地域と貧しい地域の差が、過去20年で拡大しているという分析がある。特に英国ではひどい(1人当たりGDPで20倍くらいの)差がついて…

3分で分かる「官民データ活用推進計画」

10月10日に地方公共団体向けの「官民データ活用推進計画策定の手引」が公表された。都道府県版が45ページ、市町村版が59ページ。例によって、決して分かりやすいとは言えない。「データは21世紀の石油」というほど大事なのに、何とかならないだろうか。とい…

CIVIC TECHの最前線が面白くて仕方がない

政治や行政の仕事に不満があれば、自らその仕事を試してみよ。企業のビジネス手法に問題ありと思うなら、自ら解決を試みてみよ。地域社会に課題があると感じたら、自分の家を例に解決してみよ。 『シビックテックイノベーション 行動する市民エンジニアが社…

Code for Japan Summit 2017、越境するワクワク感

Code for Japan Summit 2017に参加した。テーマはBorderless。本当に面白い人が集まっていて、長い時間居られなかったのが残念だった。テーマの通り、垣根を越えて、何かを創っていくことのワクワク感。会場のあちこちで、それを感じた。 例えば、80代でプロ…

ユニコーン企業の8割が米中に集中、日本はどこから変わるのか?

G1 Globalに参加した。いろいろな気づきがあったけれど、ひとつ取り上げるとすれば、Tech Business: Harnessing New Ideas into Sustainable Venturesという分科会だろうか。パネリストの一人、インドを中心にアジアのスタートアップに多数投資している佐藤…

世界一チャレンジしやすいまちを目指す宮崎とアグリテック

ピーマンを栽培するハウスを見にいったのだけれど、最初に見せてもらったのは圃場横の事務所にあるパソコンの画面だった。温度、湿度、照度、CO2濃度などがリアルタイムでトラッキングされ、そのデータをどう読み解くかを、福山農園の福山望さんが説明してく…

EdTechのこれから、注目している人たち

前回、EdTechは大きな編極点を迎えていて、テクノロジーが格差を広げるかが今度の課題と書いた。そんな中で、僕が面白いなあ、と思う人たちについて、一言ずつ。 小宮山利恵子さん(リクルート次世代教育研究院 院長) 言葉は悪いかもしれないが、いろんな意…

EdTechの現在地、300年の歴史が変わるか

少し前になるのだけれど、エコノミストで「未来の学び」という特集があった。副題は「テクノロジーと先生が学校を変える」。 www.economist.com 基本的には前向きな記事。現在地として、改めて確認できたのは。 ・集団で教室に机を並べて教育を受けるシステ…

地域における起業のエコシステム、「地方には余白しかない」

今月始めに大臣補佐官を退任*1して、しばらく地方をぶらぶら回ろうと考えていたら、とても興味深い記事*2を見つけた。起業のエコシステムが出来つつある20の地域の事例だ。 「地方には余白しかない*3」という、トーマツベンチャーサポートの前田さんの言葉が…

不服従を讃えよう by MITメディアラボ

MITメディアラボが主催する「不服従を讃えよう」というイベントが、7月21日にあった。動画が公開されたので、つらつら見ていた。 冒頭は、アルバート・アインシュタインと、後に非暴力抵抗運動で知られる政治学者のジーン・シャープが20代のときに交わした手…

イノベーションで中国に負ける日、グローカルに本気で賭ける

霞ヶ関で働き始めて、3回目の成長戦略の策定が終わった。1回目はただ眺めているだけ。2回目は、第4次産業革命に大きく舵をきることに多少なりとも貢献できたと思う。3回目はその実行について、いくつかの難所を越える目処がたった。 他方、イノベーションと…

エンジニアが「やれやれ」と言いながら、国の仕事をしているということ

先日、ある方と話をしていて「官僚は自分たちが使っているお金にもっと自覚をもった方がいい」と言われた。無駄遣いを止めろという一般論ではなく、例えば、行政がITに使っているのは、政府が5,000億円*1、地方が4,000億円だ。合わせて9,000億円。民間トップ…

同じところを見てるんやなあ、ローカルXテクノロジー

「地域IoT官民ネット」の設立総会が開かれた。簡単に言うとテクノロジー活用に積極的なイケてる首長の連合だ。そこに、事業を開発・展開するフィールドを求める民間が参加している。自治体の発起人は以下の方々。 青山剛(室蘭市)、室井照平(会津若松市)…

「やってみなはれ」を100の地域で - 地域IoT官民ネット設立

いよいよ明日(7月11日)、テクノロジーの社会実装を後押しする「地域IoT官民ネット」が設立される。設立総会の模様がストリーミングで中継されるので、時間があれば覗いてみてください(僕も最後に少し話します)。 www.youtube.com 難しい説明は資料を見て…

サイバー空間にも国境が必要か?岐路にある僕らができること

今日(2017年7月6日)、デジタルエコノミーにとって、とても大事なニュースがあった。日本とEUの共同声明だ。いや、チーズやワインが安くなるかも、という話じゃない。「個人情報の越境移転の十分性認定」というやつだ。 ここのところ、サイバー空間に国境線…

人口8千人の世界トップ10のファンキーな町トットネス、日本の地方もハジけるかも

エダヒロさん*1に呼んでいただいて、英国トットネスの取り組みから考える、という会に参加した。課題だらけの地方経済について、少し視点を変え、工夫をすれば、こんなにワクワクできるとは! 詳しくは、枝廣さんが「地方経済を取り戻す*2」というテーマで、…

「なぜ働くのか」という問いは大事だけれど(後編)

「パフォーマンスが良くて、エンゲージメントが高い人の比率」について、経産省の伊藤さんを招いた勉強会で、参加者からの発言があった。その企業では、従来はパフォーマンスがHRの中心だったが、最近、エンゲージメントをもう一つの軸として重視している。 …

「なぜ働くのか」という問いは大事だけれど(前編)

「仕方なく」あるいは「いやいや」働いているひとが、とにかく多い*1。さらに、そのことに無自覚である*2こともある。これは世界的な現象だけれど、特に日本がひどいときている。 そこで「パーパス(目的)」だ。マーク・ザッカーバーグが母校、ハーバード大…

不確実な未来。何をどう学ぶか - 100年変わらなかった学校が変わる?

正直に言えば「学習指導要領」について考えたことも、ましてや話をしたことは、これまでの人生でほとんどない。なんだけれども、学習指導要領が大きく変わり、学校も変わり、社会も変わる(かもしれない)ということについて書いてみたい。 「AIによって人間…

テレーワークの「テレ」って何?と思うけれど

7月24日に「テレワーク・デイ」をやる。3年後のこの日にオリンピックが開幕する。2012年のロンドン五輪では、ロンドン市内の企業の8割がテレワークを導入し*1、交通混雑などの課題を乗り越えた。 「テレワーク」は、正直に言えば、手垢のついた言葉かもしれ…

誰が2027年の世界を動かしているのか - このレポートは必読

iPhoneが出てから10年が経った。これからの10年はもっと変わる。僕らは、いま、その分岐点に立っていることがとてもよく分かるレポート*1だ。プロジェクトに参加した元同僚のReiruiさんの活躍には敬意を表したい。 議論の中で何度も浮かび上がったテーマは、…

揺れる個人、許す国家、ゆるい変革 - 経産省「若手PJ」とかつての「プロジェクトK」、「応仁の乱」の歴史観

経済産業省の「若手PJ」について、英語でブログを書いてみた。その前に、英治出版で議論をしていて、そこには壁一面に本棚があるのだけれど、2003年に霞ヶ関の若手官僚が立ち上げた「プロジェクトK」の本*1が偶然目に止まって、一読して、これは相当すごい変…

”会いに行ける官僚”、バズった経産省「若手PJ」とこれから

「立ちすくむ国家WS*1」に参加してきた。5月18日に、経済産業省のもっとも重要な産業構造審議会の総会で、若手官僚30人が作ったペーパー「不安な個人、立ちすくむ国家〜モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか〜」が配布された*2のは異例なことだし、その資…

GAFAの陰謀論!?シンギュラリティ仮説の背景を読み解く

宗教や文化といった背景から、シンギュラリティやテクノロジーについて捉えること。東京大学の情報学環の須藤教授のお話から興味を持ち、仏哲学者ジャン=ガブリエル・ガナシア氏の著作*1を読んだのだけれど、正直に言えば、警世の一冊なのかとんでも本なの…

昔はAIについて心配してたよね〜という未来の分かれ目

ある知識人の対談*1で、ソーシャルメディアについて論じている。近年、ソーシャルメディアによって「コミュニケーションの自動機械化」が進んだ。スタンプや「いいね」を使ってコミュニケーションをしている人間にはもはや意識はない。われわれは「大衆はや…

「食うに困るアーティスト」という表現を、過去の風変わりな比喩表現にできないか?

”クリエイター”なる人たちと中学生による「横瀬クリエイティビティー・クラス」に週末参加した。言い出しっぺは、映像クリエイターで、ストーリーのある独特の作品を創る田村さん*1。彼自身も含めて海外でアワードを取るウェブデザイナーやアートディレクタ…