太田直樹のブログ - 日々是好日

テクノロジーが社会を変える

揺れる個人、許す国家、ゆるい変革 - 経産省「若手PJ」とかつての「プロジェクトK」、「応仁の乱」の歴史観

経済産業省の「若手PJ」について、英語でブログを書いてみた。その前に、英治出版で議論をしていて、そこには壁一面に本棚があるのだけれど、2003年に霞ヶ関の若手官僚が立ち上げた「プロジェクトK」の本*1が偶然目に止まって、一読して、これは相当すごい変…

”会いに行ける官僚”、バズった経産省「若手PJ」とこれから

「立ちすくむ国家WS*1」に参加してきた。5月18日に、経済産業省のもっとも重要な産業構造審議会の総会で、若手官僚30人が作ったペーパー「不安な個人、立ちすくむ国家〜モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか〜」が配布された*2のは異例なことだし、その資…

生産性の謎は、AIがコンセントから電気をとるように行き渡ると解消する?

“Productivity Puzzle”とは、先進国において、少なくともリーマンショック以降の7、8年、長く見るとこの30年間、様々な技術進化があったにも関わらず生産性が上がっていないという命題だ。 Bill Janeway氏のエッセー*1によると、電化による生産性向上が…

GAFAの陰謀論!?シンギュラリティ仮説の背景を読み解く

宗教や文化といった背景から、シンギュラリティやテクノロジーについて捉えること。東京大学の情報学環の須藤教授のお話から興味を持ち、仏哲学者ジャン=ガブリエル・ガナシア氏の著作*1を読んだのだけれど、正直に言えば、警世の一冊なのかとんでも本なの…

「プライバシー」というのも過去の風変わりな表現になる(のかな)

2017年5月30日、改正個人情報保護法が全面施行された。改正のいちばんの目的は「データをもっと活用する」ということ。そのために「個人情報」や「匿名加工」の定義を見直し、「オプトアウト」など個人の権利も強化している。 21世紀は、データが石油だと言…

昔はAIについて心配してたよね〜という未来の分かれ目

ある知識人の対談*1で、ソーシャルメディアについて論じている。近年、ソーシャルメディアによって「コミュニケーションの自動機械化」が進んだ。スタンプや「いいね」を使ってコミュニケーションをしている人間にはもはや意識はない。われわれは「大衆はや…

「食うに困るアーティスト」という表現を、過去の風変わりな比喩表現にできないか?

”クリエイター”なる人たちと中学生による「横瀬クリエイティビティー・クラス」に週末参加した。言い出しっぺは、映像クリエイターで、ストーリーのある独特の作品を創る田村さん*1。彼自身も含めて海外でアワードを取るウェブデザイナーやアートディレクタ…

「目の独裁」から自らを解放する

週明けに我が家で9度目の引越しがあるのだけれど、情けないことに腰を痛めてしまって役に立たない。娘が目の前で、大学の履修科目の登録をしている。「グレートジャーニー」で知られる文化人類学の関野良晴さん*1の講義を受けるらしい。 うらやましい。そう…

デジタル革命に「べき乗則」は働くか?

「皆さんは、金子勇*1のことを忘れたんですか。日本は変わっていないじゃないですか。僕はビクビクしながら事業をやってますよ。」 総務省の有識者会議で、メディアでは強気の発言で知られるスタートアップの経営者が、強い語気でこう言った。2015年の秋。Io…

CIVIC TECH FORUMに参加して

CIVIC TECH FORUMに参加し、冒頭で話をさせていただいた。なんだか明るい気分になったので、8年ぶり*1にブログを再開してみた。 最初に「着眼大局着手小局」でありたい、と言った。 その心は、これから20年ほどで、暮らし方や働き方、ひいては社会が大きく変…